花尾山(はなおざん)
 
単独 2018.12.15 
長門市渋木大畑(8:21/27)→市ノ尾橋(8:44)→鈩コース分岐(8:50)→本谷コース取付(8:59)→桂の巨樹(9:25)→滝(9:37)→桂の巨樹(9:42)→なめら滝(10:01)→座禅岩(10:23)→花尾山(10:39/59)→鈩コース分岐(11:02)→多々良池方面分岐(11:13)→484.4峰(11:51)→荒ヶ峠(12:15)→中国西幹線鉄塔55(12:29/47)→中国西幹線鉄塔56(12:52)→546.4峰(13:09/16)→林道荒ヶ峠線(13:29)→荒ヶ峠(13:37)→荒ヶ峠橋(14:06)→起点(14:19)

軌跡図
                                                            所要時間:5時間52分、歩行距離:14.8㎞

 この地図は、国土地理院の地形図を使用したものである。

アルバム
先週の荒滝山(あらたきさん)からの眺望で、山口県北部の陰陽分水嶺歩きを思い立つ。はじめは、展望の良さで人気の花尾山にする。市ノ尾集会所の駐車場を使わせてもらえるらしいが、この日はすでに満車。なので、長門市渋木大畑の県道268号豊田三隅線の非常駐車帯に駐めて、県道をたどる。市ノ尾バス停の交差点を右に取り、市ノ尾集落に入る。市ノ尾川右岸の道を300mばかり上がった交差点に、花尾山登山案内図の看板が立っている。直進の鈩コースを捨てて、右手の橋を渡る本谷コースを選ぶ。100m先で左岸の里道に合流し、左に取る。この折り、猪鹿の防護柵ゲートを通らなくてはならない。であるから、はなからこの里道を上がったほうが良いように思う。

長門市渋木大畑の県268非常駐車帯(8:29)

市ノ尾橋北の市ノ尾バス停(県268)(8:42)

鈩コース分岐(8:50)

本谷コースへの里道(8:53)
土地改良された広い棚田の上端で里道は終わり、山道になってほどなく、本谷コースがスギ・ヒノキ林の谷間に分かれる。はじめ農業用水路の管理道で、ほどなく沢沿いの道になる。要所要所にピンクテープが付けられ、よく踏まれた道だ。やがて「桂の木」の案内標識があり、寄り道すると、右岸に桂の巨樹が立っている。幹回りは大きく、相当な老樹と見た。

本谷コース取付(8:58)

桂の巨樹1(9:25)
このあとコースは、少し先で右岸・左岸と谷を縫って上がり、ほどなく滝に出会う。約4mの小滝だけれど、なかなか存在感はある。すぐ上で、ふたたび「桂の木」に出会う。こちらは、沢の中に株立ちしたもので、他所でもよく見かける規模のもの。

滝(9:37)

桂の巨樹2(9:42)
すぐ上で谷は二俣となる。左谷には小滝が架かり、奥は急な大ゴーロ。なのでコースは、右谷右岸を150mばかり上ったあと、左手の支尾根2本を南東斜めに乗り越して、左谷へ降りている。そこには、「なめら滝」と名付けられた滝が架かっていた。滑てはいないし、水量が少ない今は、とても地味な「斜め滝」にしか見えない。その「なめら滝」を過ぎると谷は穏やかになり、左岸から右岸そして左岸へと、落ち葉絨毯の道が上がっていく。やがて苔むした小さな岩海に出会い、ほどなく市境尾根に突き上げた。T字路の右(北)側に座禅石と呼ばれる平岩あり。かつてここで、権現信仰の修験者が床堅(座禅)の作法を行っていたのだろうか。ともあれ、尾根道を左(南)に取って花尾山へ。約150m先で南に尾根が分岐、赤テープの付いた踏跡がある。於福方面へ下るのだろうか。市境尾根の広い道をたどると、花尾山の草原の頂稜が見えてくる。鞍部を上り返してひと汗かけば、そこはもう権現社が祀られた花尾山の頂稜だ。

なめら滝(10:02)

岩海(10:19)

市境尾根(10:25)

座線岩(10:23)

花尾山 花尾山の南西尾根より(10:32)

花尾山の権現祠(南東頂稜)(10:41)
立派な基壇の上に小さな祠が建ち、中に権現石仏が祀られている。そして、花尾山のてっぺんにも同様の基壇付きの権現祠が祀られている。いうまでもなく、きれいに刈り払われた草原の山頂は、東面に樹木はあるものの、四周絶佳の眺め。頂稜を行ったり来たり、時のたつのも忘れて山座同定を楽しむ。とりわけ、これからたどってみたい陰陽分水嶺の稜線は念入りに。

花尾山の権現祠(てっぺん)(10:47)

高山、鉄割山
(かなわりやま)など 花尾山山頂より(10:49)

一位ヶ岳、三ツ頭など 花尾山山頂より(10:15)
崋山(げさん)、堂ヶ岳など 花尾山山頂より(10:20)

天竺、雁飛山
(がんぴさん)など 花尾山山頂より(10:41)

荒滝山、日ノ岳など 
花尾山山頂より(10:42)

男岳
(おんだけ)、秋吉台など 花尾山山頂より(10:43)

桂木山、如意ヶ岳など 
花尾山山頂より(10:43)
すっかり長居して、北東尾根の広い道を下る。約140m下の肩で、北面(左手)の市ノ尾川の谷に鈩コースの道が分かれている。この際、右の市境尾根の道をたどって荒ヶ峠へ向かい、あわよくば大滝まで足を延ばしてみたい。

大滝、天井山など 花尾山山頂より(10:43) 

市境尾根の鈩コース分岐(11:02)
約420mで尾根は分岐、右(南東)によく踏まれた道が下っている。地形図の破線径によると、秋芳町別府の河原上(かわらがみ)に降りているようだ。左の市境尾根の道に入る。はじめは少し茂ったところもあるが、すぐ落ち葉絨毯の疎林尾根の道になり、快適そのもの。市境尾根は、466峰の北で東に転じて484.4峰へ移ったあと、北から北東に下って荒ヶ峠に至る。道は峠の130m手前で北面横手に分かれるが、この際、尾根筋を行って峠に降りる。おかげで、峠の西側斜面に祀られた三界萬霊塔(さんかいばんれい)に出会う。塔には、「文化八未四月 三界萬霊 嘉万市中」と刻まれている。文化八年といえば1811年。今はしがない林道だけれど、かつてここは要衝の峠道だったのかもしれない。お昼は過ぎているけど、峠を上り返して大滝の南西尾根へ踏み込んでみる。

多々良池方面分岐(11:13)

484.4峰山頂(11:52)

荒ヶ峠西の尾根に祀られた三界萬霊塔(12:13)

荒ヶ峠(12:15)
尾根にはピンクテープの付いた地籍調査の切り開きがあり、難なく中国西幹線鉄塔55の建つピークに上がる。南面の見晴しはよく、たどってきた花尾山からの稜線を一望できる。鉄塔のコンクリート基礎に腰かけて心地のよい昼食。西面横手に管理道があるが、市境尾根の切り開きをたどる。約5分で鉄塔56のピーク。こちらも見晴しはまあまあで、市境の尾根はこれより北に転じて、大滝へと高度を上げていく。指呼の間に546.4峰が立ち上がって、その先は見えない。北側の鞍部は林道荒ヶ峠線支線の終点で、鉄塔管理道が東面へ乗り越している。半田方面からの林道につながるのだろう。鞍部を上り返して546.4峰に上がるが、踏跡のない急斜面にひと汗かく。雑木の山頂で展望はなく、大滝方面の様子も分からないので、今回はここまでとする。

花尾山 中国西幹線鉄塔55より(12:31)

中国西幹線鉄塔56(12:53)

546.4峰 鉄塔56より(12:53)

546.4峰山頂(13:09)
雑木のバカ尾根はとても分かりにくい。後戻りというのに、迷走しながら鞍部に降りる始末。この際、楽ちんな林道をたどって荒ヶ峠に出た。あとは、伐採作業でぬかるんだ長ーい林道歩き。約3㌔を30分、というさっさか歩きで県道へ出た。面白くもなんともない。起点まであと1㌔あまり。

荒ヶ峠(13:37)

荒ヶ峠橋(14:06)