野登呂山(のとろやま)(宇根山(うねやま))・扇ヶ峰(おおぎがみね)
 
単独 2018.10.14 
江田島市中町港(7:32)→見浪橋(7:39)→山道取付(林道野登呂山線起点の手前)(8:23)→野登呂山(9:31/53)→電波塔(9:56/10:01)→林道野登呂山線終点(10:09/12)→第二展望台(10:15)→第一展望台(10:28)→寺屋敷慰霊碑の立つU字カーブ(扇ヶ峰取付)(10:35)→乗越鞍部(10:47)→扇ヶ峰(11:13)→376.1峰(12:18/23)→里道(13:34)→昼食(13:45/14:04)→県道36号高田沖見江田島線(14:09)→林道野登呂山線入口(14:54)→起点(15:03)

軌跡図
                                                            所要時間:7時間31分、歩行距離:15.5㎞

 この地図は、国土地理院の地形図を使用したものである。

アルバム
久しぶりの「しま山」歩きは、能美島の野登呂山。宇品港7:00発の高速船で中町港へ。約30分の船中は、安芸小富士(あきのこふじ)、古鷹山、クマン岳、弥山・岩船岳連山などの広島湾の「しま山」をじっくり眺めることができる。中町港に着くと、これからたどる野登呂山の連なりが美晴の空に際立っていた。10年前(2008.4)に整備された旅客ターミナルが立派なのには、ちょっとびっくり。

野登呂山、扇ヶ峰 中町港埠頭より(7:29)

中田港(中町港)旅客ターミナル(7:33)
国道487を右に取る。約250m先の見浪(みなみ)橋東詰で、麓川(ふもとがわ)右岸の里道に入る。麓川に沿って10分ばかり上がったところで、道は両岸に分かれる。左の道を上っていくと、両側が美味しそうに色づいたミカン畑になる。顧みれば、江田島の古鷹山・クマン岳連嶺が存在感を示している。ほどなく交差点、つい直進したが、いささか遠まわり。ここは、左に取ってすぐの交差点を右に取るのがよい。

見浪橋南の麓川右岸の里道(7:41)

里道分岐(7:52)

古鷹山、クマン岳連嶺 里道より(7:59)

野登呂山 里道交差点より(8:02)
本来の里道に出て150mも上ると、左に山道が並行して分かれる。積みブロック法面の上に「野登呂山登山口入口」の標識が立てられている。この山道に入って60mあまり、右下の里道のへりに林道野登呂山線起点と記された看板を見る。ほどなく、道は本物の山道(これが登山道?)になって谷沿いに続く。10分も上がると、これもだんだんあやしくなり、ついには見失う。

野登呂山への山道取付(8:23)

山道を見失った谷あい(7:39)
大したヤブではないが、けっこう急な斜面を左岸尾根に上がると、山道があった。もう少し念を入れて探せば、道は続いていたのだろう。山道に再会して20分ばかりの上りで、野登呂山の山頂に達した。

再会した尾根道(9:07)

野登呂山山頂(9:32)
広く平坦な山頂は、東面と南面の樹木が切り払われ、素敵な展望台になっていた。西方目前に電波塔、その左に阿多田島。左に目を転じていくと、大黒上島、陀峯山(だぼうざん)、鹿川港と続き、東方の谷あいに灰ヶ峰、野呂山、休山の三座がおさまっている。そして、三角点の北側に立つ八角柱は天測点のようだ。赤テープの付いた山道が北と西に下っており、西を選ぶ。

西峰(西肩)の電波塔 野登呂山山頂より(9:33)

大黒上島 野登呂山山頂より(9:33)
鹿川港、陀峯山など 野呂山山頂より(9:34)
灰ヶ峰、膳棚山など 野登呂山山頂より(9:51)
ひと下りで西肩の電波塔管理道に出た。電波塔は50m西のピーク(西峰)に建っている。事業者名プレートを探して金網フェンスを一周してみるが、そのようなものは一切ない。なので、防衛省関連の施設なのかもしれない。管理道を下っていくと、8分で林道野登呂山線の終点に合流した。管理道の入口には立入禁止付きの鎖ゲートがあり、その内側に有刺鉄線、という念の入れようだ。うーむ、知らなかったとはいえ立ち入ったのはまずかったかも。ちなみに、林道終点の奥(東)に山道が続いて、野登呂山への案内標識がある。

電波塔管理道(9:56)

野登呂山林道終点&管理道入口(10:09)
林道を下ると、ほどなく右手に展望台があり、中田港や松ヶ鼻などを俯瞰できる。さらに10分のところにも展望台(第一展望台)がある。眼前に古鷹山、その彼方に小田山(こたさん)の秀麗が見える。第一展望台から約350m下ると、道はU字にカーブして、山側の角に寺屋敷慰霊碑が立っている。壇ノ浦(1185)の戦いで敗れた平家一族の伊地宗顕が一族の菩提のために、この地に草庵を結んでいたという。その角の突端で林道を捨てて、北尾根に取り付く。少し下ると明瞭な尾根径があった。

第二展望台(10:15)

中田港、松ヶ鼻など 第二展望台より(10:16)

第一展望台(10:27)

扇ヶ峰南尾根取付(10:36)
ぬた場のある小ピークを下った鞍部には、乗越径があった。左(西)は三高水源地、右(東)は間所方面に通じているのだろうか。90mばかり上り返したところにも、右横手に道があった。乗越鞍部から25分で422.6峰の山頂に到着。三角点傍らの雑木に「扇ヶ峰」の札が付けられている。タケまじりの雑木の山頂に見晴らしはなく、早々に北尾根の径へ。

乗越鞍部(10:47)

扇ヶ峰山頂の三角点(11:13)
時おり茂ることもあるが、明瞭な径が続き、狭い主稜線はひたすら北に向かうので、とても分かりやすい。扇ヶ峰から約1時間を要して、難なく371.6峰に着いた。途中、三度ぬた場に出合う。そして、371.6峰のてっぺんもぬた場になっていた。イノシシくんにも二度出会ったので、この山域の生息密度の高さがうかがえる。ここで、峰は北東と北西に分かれる。北西尾根に踏跡があり、入るとすぐ分岐。左は茂っており、明瞭な右を選ぶ。が、こちらも、5分後には灌木とシダの大ヤブになる。もう、突っ込むしかない。身の丈を越すシダ、有刺鉄線のようなサルトリイバラ、そしてタケの密林、翻弄されヨレヨレで鍵ヤ谷の里道に出た。これがあるから、しま山歩きを侮ってはいけない。

371.6峰山頂(12:18)

371.6峰北西頂稜の分岐(12:26)

371.6峰北尾根のシダの大ヤブ(13:00) 

沖美町三吉鍵ヤ谷の里道(13:34)
見晴らしのよいところに出て、ザックをおろし、遅い昼食。で、このとき天ブタの下に挟んでいたトレールシャツが無いのに気づく。今さら、あのヤブを上り返すなんてできやしない。メリノウールの気に行っていたやつなのにと、ちょっと落ち込むが、目の前の美しい景色に癒される。まあいいか。気を取り直し、県道に降りて起点に向かう。約5㌔の道のりを、さっさか歩き。汗びっしょりで、中町港15:07発の便にぎりぎりセーフ。

三高港、似島など 鍵ヤ谷の里道より(13:35)

県道36号線合流地点(14:09)