境谷(さかえたに)市間山(いちまやま)立岩山(たていわやま)クラ谷(くらだに)
 
単独 2010.10.11 
立岩ダム堰堤(7:30)→境谷橋下・入渓(7:47)→F(7:54)→F(8:22)→F落口(8:53)→F(8:58)→F11(9:17)→ワタリの谷出合(9:30)→F12(9:33)→ワサビ田跡(9:46)→尾根(10:07)→登山道(10:28)→市間山(10:35)→立岩山(11:20/52)→清水分岐(12:20)→クラ谷入渓(12:42)→F(12:59)→F(13:06)→F落口(13:16)→F(13:28)→F(13:38)→クラ谷入口・林道(13:58/14:14)→清水(14:27)→清水橋(14:31)→押ヶ垰(14:37/49)→出発点(14:50)
アルバム

立岩ダム堰堤 左岸県道より(7:33)

境谷橋(7:47)
境谷を遡行して市間山に立ち、クラ谷を下降した。県道296号線(吉和戸河内線)をたどり、立岩ダム管理所の駐車場に車を駐める。立岩ダムは古い発電用の堤体で、1939年に竣工。戦前では7番目に高い重力式コンクリートダムとして、土木遺産に認定されている。天端を通って右岸に渡る。右岸(ダム湖の東岸)の道を10分ばかり行った所で、境谷が出合い、鉄の橋が架かっている。湖岸の道は先で消失しているらしい。境谷の右岸に径があるが、こちらもすぐに崩れて消失している。橋の袂から谷に降りた。境谷の入口は土石で埋まり、広い河原になっている。かつてこのあたりは深い谷だったのだろう。
 

境谷F(7:54)

境谷大滝F(8:22)
入渓して100mも行かないうちに、3mの小滝F1に出合う。この上にも同じような滝(F2-5)が連続して現れた。いずれも容易に直登できるので、のっけから愉快な沢登りとなる。F1の右岸に木の階段や鉄橋が現れるが、F3の落口で終わっている。導水パイプが径に沿っているので、かつて飲用水道の管理道だったのかもしれない。F5から少し間をおいて小滝F6があり、その上に10mの大滝F7が架かっている。直登はちょっと難しく、左岸を高巻いた。コース取りを誤って途中で行き詰まり、懸垂で降りる破目になる。安全第一、急がば回れである。ひょっとしたら踏跡があったのかもしれない。いずれにしても、この谷一番の滝である。
 

境谷多段斜滝F(8:58)

踏跡(9:30)
F7の上も5m滝F8、多段の斜滝F9と続き、その上で谷は分岐する。右谷にはナメラの小滝が架かっていた。左谷に入ってしばらくすると、8m滝F10が現れる。すべて愉快に直登できる。F10落口から5分も遡ると少し開けて、潅木に覆われた二俣に出た。こちらも左の谷に入る。カツラが株立ちしている右岸に踏跡があった。たどれば、929m峰の尾根に続いているのかも知れん。
   

境谷源頭(10:07) 

登山道 市間山と立岩山の縦走路(10:28)
 最後の3m小滝F11の上でまた二俣となる。左谷に入ってしばらくすると、ワサビ田の跡があった。既に源流域である。間もなく沢は涸れ、20分ばかり笹の斜面を登って行くと尾根に出た。市間山と立岩山の稜線から清水に下る枝尾根である。疎林の尾根で、かすかに踏跡も認められる。稜線までわずか340mばかりの距離であるが、これがなかなかの急坂。登山道に飛び出すころには、汗だくになっていた。
 

市間山山頂(10:35)

熊のウンコ(11:03)
稜線の登山道はきれいに刈り払われ、立派な山頂標識が立っていた。ハチガ谷の頭に下る径も、刈り払われているようだ。市間山からクラ谷に降りる予定であったが、この際、縦走路の整備状況を見てみようと、立岩山まで足を延ばすことにする。ウス谷の突き上げ鞍部を上り返した所に熊のウンコ。ウーン。 
   
 十方山と竜神湖 立岩山山頂より(11:52)
立岩観音(11:26)
笹に蔽われていた縦走路はすっかり刈り払われて、快適な稜線歩きを愉しんだ。市間山から45分で立岩山の頂上に立つ。眼前眼下に広がる十方の山容や瑠璃色に輝く立岩湖を眺めて、飽きることはない。桑原先生の西中国山地によると、「峰の南西面は露岩帯で痩尾根になっており、懸崖の下に観音がまつってある」とある。が、そこは石が積まれてお堂の趣はあるが、観音像は見当たらない。 
   

クラ谷上流部(12:46)  


クラ谷F(13:06)

攻撃的なニョロ君(11:29)


クラ谷F(13:28) 
立岩山で至福の昼食をとって、来た径を引き返す。清水への尾根を下って、929m峰に分れる手前からクラ谷に降りた。涸れたガレ沢で、急斜面の両岸には闊葉樹が林立して鬱蒼としている。涸れ沢が10分ばかり続く。水流が現れて間もなくの所にナメ滝F7が架かって、その下に10mの直瀑F6が落ちていた。右岸を巻いて降りたが、直登できそうである。F6の下にも小滝(F5-4)が続き、右から谷が出合った先で15mの大滝F3が落ちていた。右岸を巻いて降りたが、この滝も渇水期には直登できそうである。
   

清水(せいずい)地区(14:27)

押ヶ垰地区 立岩ダム堰堤より(14:49)
大滝の下は平凡なゴーロ帯で、30分ばかりで林道に出た。沢靴を履き替え、林道をたどると、清水地区手前の道のへりで、年配の男性が黙々とマキを割っていられた。清水橋を渡った所から右の小径に入り、押ヶ垰地区に上がる。県道296号線をたどること10分、ダム管理所に帰り着いた。ケルンバットの下に静に佇む山里を眺めやりながら、山の神様に感謝!



軌跡図 
                                                   所要時間:7時間17分、歩行距離:12.4㎞